以前、医療機関でコンシェルジュの育成をしていました。
患者様の様子をいち早く察知し、適切な対応をする係。
院内で起こり得ることを幅広く把握し、スムーズに導きます。
医療コンシェルジュは治療や手当はできませんから、その患者様に最適な道を考え、速やかに専門部署へ繋ぐパイプ役をします。
臨機応変な対応能力が必要な役割です。
そして命を扱う場所ですから、「だいたい」ではダメです。
院内外の情報、個人情報の取扱いに始まり、
患者様の訴えをどこの科に繋ぐことが最適か?
看護師やドクターへ連絡を入れる必要はあるか?
患者様の症状の経緯は?
お持ちの保険情報は?
出血? 急変? 動植物でのけが?
レギュラー? イレギュラー?
救急車到着時に考えられることは?
クレーム? パニック?
人や物の行方不明?
長い待ち時間の間に起こりえることは?
その時間にこちらからできることは?
など一度に様々な状況が発生しても対応できるよう、日頃から頭と心の準備が必要です。
患者様は苦しいのです。不安なのです。付き添う方もなすすべがなく、辛いのです。
「話せばわかる」という状況ではない、場合もあるのです。
ピーク時の医療機関は、忙しいです。
尋ねたことの回答がたとえ正しかったとしても、不調な時は言葉の強さがそのまま心に刺さってしまうことだってあるのです。
そんな気持ちを察し、少しでも安心できるようにコンシェルジュが先回りをします。
IT化が進む中、人でなければいけない役割を担っています。
彼女たちは綺麗な制服に身を包んで、いつも慌てることなく対応していますが、更新の早さと、心の強さ、優しさあふれる人柄に、ファンも多いのです。
今回、マナーとは少し角度が違いましたが、
日頃からの思いやりある行動は
それが「仕事」だとしても周りは見て評価してくれています。
そんな風に輝く人が、もっともっと増えていくことが私の願いです。